カラダ探し~第三夜~

ひとりになんてなりたくないけど、生徒玄関にもいたくはないから。


西棟に入ると、長い廊下を照らし出す、不気味な避難口誘導灯と消火設備の赤い光。


ひんやりとした空気が足元に漂っているようで、身震いしてしまう。


「ち、近い方から調べようかな……」


西棟に入って右に行けば保健室。


その奥に、外に出るドアがある。


「開いたよー」と皆に伝えて、早く学校から出たいのに。


ドアに近づいて、ドアノブを回してみても、まるで固定されているかのように動かなかったのだ。


「ここもダメかー。まあ、次だよね、次」


次のドアは、この長い廊下の突き当たり。


なんだか……昼間とは違って、幽霊でも出そうな雰囲気を醸し出していた。


うう……寒いし怖い。


暗い廊下を、なるべく足音を立てずに歩いていた。


左を向けば暗い中庭で、幽霊でも立ってそうだし、右を向けば教室。


中に、やっぱり幽霊でもいるんじゃないかと、前しか見る事ができない。


こんな事を考えていると、後ろから幽霊が追いかけて来たりするんだよね……。


「やだやだ、怖い時ってどうして怖い事を考えちゃうんだろ」

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