カラダ探し~第三夜~

「八代先生も、千春さんと再会できればいいね。お互いに離れていた記憶がないかもしれないけど」


明日香さんがニコッと微笑んで、その不気味な男性にささやいた。











は?


今、なんつった?


八代先生?









この化け物みたいな人が、学校一のイケメン先生の八代先生!?


……ないない、きっと同じ名字の別人。


「ほら、翔太! 元気出しなよ! 高広みたいに、世界がどうなっても、美雪を見つけ出すって思ってればいいじゃん」


そう言って、バンッと翔太さんの背中を叩く、もうひとりの私。










ええーっ!









翔太さんと高広さんを呼び捨てにしちゃってるよ!


ちゃんと「さん」付けしないと!


と、そんな事を思っていると……。


気付いてはいたけど、そこら中にある亀裂。


美紗が死んだ時に、私が見た亀裂と似ている。


それが、昨日と同じように崩れ出したのだ。


「な、何これ!? 『呪い』が解けたの!?」


「世界の崩壊……始まったのか」


私と翔太さんが、辺りを見回して声を上げる。
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