カラダ探し~第三夜~

起きる気配がまったくないママは放っておいて、私は朝ご飯を食べるためにキッチンに向かった。


いつも通り、これと言って食べる物のない冷蔵庫の中を確認して、卵と味噌を取り出す。


学校のない日曜日の朝。


昨日はコンビニに朝ご飯を買いに行ったけど、今日は体調も良いから、久し振りに料理をしてみる。


「五日目かぁ……今日を入れて後三日。カラダはどうにかなりそうだけど、美紗の方は大丈夫かな」


夜の学校で、回収されなかったという美子のカラダの一部を探してる美紗。


だけど、それがどこにあるか分かってないんだよね。


それは、私達がやらされているカラダ探しに似てるけど、私達よりも大変なんだろうな。


そんな事を考えながら作った玉子焼きと味噌汁。


私が好きな玉ねぎの味噌汁の香りに、お腹がグゥッと鳴る。


ひとり分だけ作ると、ママが起きた時にうるさいから、とりあえずふたり分。


ご飯をよそってささやかな朝ご飯を食べて。


昨日の事と今日からの事を話すために、私は携帯電話を取り出してメール作成画面を開いた。
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