カラダ探し~第三夜~
うげっ! 私がこいつの夢に登場したの!?
美人は困るわぁ、いったいどれだけの人の夢に出てるか、分かったもんじゃない。
「マジキモい……いや、本当にやめて、そういうの」
もう、それしか言う事ができなかった。
「でよ、俺はそいつに言ってやったんだよ。『男はハートだぜ』ってな」
あー、はいはいそうですか。
男は顔でしょ。
そんなの、顔に自信がない奴が自分をなぐさめるために言ってる、ただの負け犬の遠吠えだっての。
だから、あんたは負け犬って事だね。
「でもさ、イケメンじゃないと私みたいな美人はモノにできないと思わない? 負け犬君」
これくらい言ってやらないと、バカな龍平には分からないだろうな。
「……男いた事ないよな? 留美子」
ボソッと呟いた龍平の言葉が、私のハートに突き刺さる。
くっ! 今のは効いたわ……。
龍平のくせに生意気な!
そんなバカな話をしているうちに、学校に到着した。
学校……あれが夢だと分かっていても、中に入るのは少し抵抗があるな。