カラダ探し~第三夜~

私が言った言葉に、ふたりは黙ってしまった。


しばらく亀裂だらけの世界を歩いて学校に向かう。


小学校の前を歩いていた時に、明日香さんが呟いた言葉を私は聞き逃さなかった。


「……中庭か。なんだったんだろ、あれ」


「ん? 明日香、何か言った?」


「え? あ、何でもないよ。カラダ探しの話だから、もう終わった事だし」


私が尋ねると、明日香さんは慌てて手を振って見せた。








中庭?









あ、もしかして明日香さんも、昨日私が見たあのふたりの赤い人的な女の子を見たとか?


だとしたら、やっぱりこの世界と元の世界はつながりがあるって事だよね。


明日香さんもなんだったんだろって言ってるくらいだから、私に分かるわけないよね。


「それにしても武司の野郎。ずっと学校を休んでると思ったのによ。カラダ探しをさせられてたとはな」


「あゆみちゃんがいなくて、ショックだったんだよ。あ、でもね、カラダ探しが終わる頃には元気に……」


明日香さんが、武司さんの事を話している途中で、眠りから覚めるような感覚に襲われて。


まだ話を聞いていたいのに、私は誰かに揺り起こされるように六日目の朝を迎えた。
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