カラダ探し~第三夜~
信じてあげたいけど、どうも裏があるんじゃないかと勘繰ってしまう。
「そうか、良かった……昨日、すごく心細かったんだ。俺だけカラダを集められなかったらどうしようって」
安心したように吐息を漏らして、うつむく健司。
その気持ちは分からなくもないし、信じてあげたいけど、もう少し話を聞きたいと思っていた。
健司は昨日の夜、図書室を出た時に赤い人の笑い声に気付き、生産棟へと逃げたらしい。
そして、赤い人に追い付かれて殺されるというところで、突然現れた美紗に救われた。
一緒に逃げている途中で、自分が置かれている状況や、私達の想いを美紗から聞いて、考えを改めたとの事で。
美紗が健司の心を操るのが上手いのか、それとも健司が信じやすいのかは分からないけど。
こんなにあっさり心変わりするなら、早いうちに美紗に説得してもらえば良かったな。
話をしていると、龍平も教室に入って来て、後は美紗が来れば全員集合。
監禁されているであろうあゆみを除けば……だけど。
「よう、留美子。昨日は情けない姿を見せちまったな。でも、抱きしめてくれてうれしかったぜ」
妙に男前ぶって、私の肩に手を置いた龍平が呟いた。