カラダ探し~第三夜~

龍平に促されて、ポケットから心臓を取り出すけど……そこから手が動かない。


バカで変態で女好きな龍平。


だけど、私はどうしようもないくらいに好きになっていて。


絶対に違うと気付かないふりをしていたのに。


最後の最後で、その気持ちが溢れ出したよ。


ギュッと握りしめた手に、何かを感じ取ったのか、龍平も私の手を握り返してくれた。


そして……つないだ手を放すと、私の身体を引き寄せるように抱きしめたのだ。
こんな時に何をしてるの?


なんてまったく考えずに、私も龍平を求めるように背中に腕を回した。


意地を張って、いなくなるんだから絶対に好きにならないとか考えて、私はバカだった。


こんなに好きなのに……。


こんなに安心できるのに、私は龍平を拒んで。


自分が悲しみたくないから、龍平を傷付けて。


でも、龍平はすぐにいつも通りに戻ってくれた。


もっと早くにあゆみや美紗じゃなくて、私を好きだって言ってくれたら……少しはこの関係も違っていたのかな。


龍平に抱きしめられて……涙が止まらない。
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