カラダ探し~第三夜~
美子の心臓を……美子に返す。
美紗の願いを叶えられるのは、私だけなのだと分かったから。
「うぅ……何なんだチクショウ。急にめまいが……」
結子さん……いや、結子に起こされて、武司がゆっくりと身体を起こした。
「キミも大丈夫かい? 柊さんといい、キミといい、いったい何が起こってるんだろうね」
「うおっ! 気持ちわりぃ顔を近付けんじゃねぇよ!!」
八代先生に、目覚めの一言。
「し、失礼だなキミは! 仮にも僕は教師で……」
「そんな事より、美子の『呪い』を解くってどういう事?夢でも見たんじゃないの?」
八代先生の話をさえぎるように、明日香が私を見つめる。
夢だったらどんなに良いか。
美子も美紀も、「呪い」もない夢ならずっと見続けていたいけど、これは夢じゃないから。
「良い!? 私達にはまだやる事があるの!! 美子の心臓を探して、美子に返すの! 美紗が……そう言ってたの!」
私の言葉に、皆あ然としたような表情を浮かべる。
無理もないよね。
突然倒れて、目を覚ましたかと思ったら変な事を口走っているんだから。