カラダ探し~第三夜~
八代先生も武司も、同じように胸を貫かれて動かなくなった。
私ももうすぐ動かなくなって、皆の所に行くんだろうな。
もう良いでしょ?
心臓を返したし、赤い服もあげたじゃない。
それでもまだ満足しないの?
眠くて眠くてたまらないけど、なんとか目を開けて「赤い人」を見ていると、私が渡した赤い服を見つめている。
「赤い……服。美子ちゃんの赤い服」
何か呟いているけど……もうどうだって良い。
「赤い人」が泣き叫びながら、淡い光の粒になって消えて行く……。
なんか、蛍みたいできれいだな。
美子が消えたって事は、後は明日香達が壷を壊しておしまい。
私の命もおしまい。
もう、頑張らなくても良いよね。
「留美子、ありがとう」
目を閉じた私は、聞き覚えのある声に、もう一度だけ目を開けた。
「美紗……美雪にあゆみに龍平も……」
口を小さくパクパクさせるけど、もう声は出ていない。