カラダ探し~第三夜~


「いったぁ……何これ、筋肉痛?」




目が覚めて、起き上がる時にその痛みに気付いた私は、制服に着替える時に胸にあるアザが目に入った。


昨日、どこかで打った記憶もないし、寝ている間に打ったとも考えられないんだけど。


胸が関係しているとすれば……夢での出来事?


私は森の中みたいな所で寝ていて、知らない誰かが私に何かを言っていた。


私は胸から血が出ていて、苦しくて息もできなかったけど……。


その後すぐに、息苦しくて目が覚めた。


「まさかね。だって夢なんだよ? きっとどこかで打ったんだよね」


制服に着替えて、夢の事を気にしつつも、いつものように学校に向かう準備を始める。


あの女の子は誰だったのか……普段なら気にする事もない夢の登場人物。


その中に、クラスメイトの美雪と、後輩で武司の妹のあゆみもいたのが不思議だ。


ふたりとも、そんなに仲が良いわけじゃないのに、私に笑いかけていた。











そして……見た事もない男の子。












夢の中で、私はこの男の子を何て呼んでいたかな?


まだ眠い目をこすりながら、私はカバンを持って部屋を出た。
< 640 / 646 >

この作品をシェア

pagetop