学園マーメイド
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「……つうか、俺は自分の弟の口から“泊まれ”って言う言葉が出たことに驚いてる」
「軽い天然入ってるって思ったけど、これは……ね。もしかって狙って言ってる?」
ご飯を済ませ、蒼乃が風呂を借りている間。
陸嵩と兄弟がコタツに入ってみかん頬張っていると、2人が非難するような瞳を陸嵩に向けた。
それにきょとんとする本人。
「何が?」
みかんを口に入れて首を傾げる。
「“何が”じゃねえよ。陸、お前彼女が彼氏の家に泊まるって意味分かってんの?」
栄志が咎めるように言うと啓志も頷いて便乗する。
「……兄ちゃんも啓志も蒼乃が此処に泊まるのそんなに嫌なのかよ」
「や、そうじゃなくて!……ああ、お兄ちゃんは悲しい」
「まあまあ、何も考えてないんだよ陸兄は」
2人の言っている意味が理解できず、険しい顔を作る陸嵩だった。
別に何もおかしいことはないはずだ。
それにあんな顔をした蒼乃を帰すくらいなら、ここに留めて置くのが一番の最善策だ。
そう思ってまたみかんを口に投げ入れる。
「んで?蒼乃ちゃん、どこに寝かすの?父さんたちの部屋でもいいと思うけど、さすがに蒼乃ちゃんも嫌がるだろ」
「じゃあ、俺が栄兄と一緒に寝るから、俺の部屋使ってもらうのは?」
「は?なんで俺が啓と寝なきゃ行けねえんだよ。ベッド狭くなるから絶対やだ」
栄志と啓志が言い合ってふざけ合っていると、何の迷いもなく陸嵩が言葉を発する。
「大丈夫、俺の部屋で寝てもらうから」
その言葉に凍りつく部屋と雰囲気。
言い争っていた2人は目を丸くさせ、互いの顔を見て、同じタイミングで陸嵩の顔を見た。
そして“こいつの頭はおかしい”と言わんばかりに顔を歪める。