学園マーメイド
お前は女子高生か、と思うスピードで私の携帯でなにやら文字を打っている。
私でもそんなに早くは打てない(というよりメールする相手は光ぐらい)。
凄いな、と感心しているのもつかの間。
笑顔の陸嵩がこちらに携帯を差し出した。
「はい!ここに俺のメルアドと携帯番号入れといたから」
「あ、ども」
「俺蒼乃のやつまだ知らないから、今日寝る前でもいいしメールして?」
「あ、はい」
「じゃ、俺部屋戻るから」
なんとも臨機応変な態度に(嵐のようだ)翻弄されながら、手を振る。
「お休み、蒼乃」
部屋を出て行く時、一瞬振り向いて笑った陸嵩の顔は少し赤らんでいて、そして幸せそうだった。
その後すぐ部屋に帰ってきた光は陸嵩が帰ったことを知ってとても残念そうにしたが、次の瞬間には合宿であった先輩との話へと発展し、その夜は3時まで付き合わされてしまった。