キミと 夜空と 星空と。


「・・・手紙。親父に頼まれて」

「手紙をわざわざ??・・・ありがとう」


彼女は、玄関から出てくると俺に歩み寄って来た。


2人の間をふさいでいる、黒い門をゆっくりと開ける。
そして、黙ったまま俺が差し出した手紙を、受け取った。


なんでもない、フツウの動作のはずなのに、あまりにも優雅に、綺麗に見えてくる。


「・・・上がっていく??わざわざ来てくれたんだし。
ケーキ、あるの。私も主人もあまり甘いもの食べないから、食べていってくれると嬉しいな」



・・・ケーキかよ。


心の中で毒つく。




俺の事、ガキだって思ってんの??

俺はガキじゃねぇ。

1人の男として、お前を見てんだよ。

コーヒーのブラックだって飲めるし、酒だって飲もうとすれば飲める。



ガキ扱いなんてするなよ。・・・俺を。







俺を、1人の男として見てくれよ。






・・・なぁ??





< 10 / 183 >

この作品をシェア

pagetop