キミと 夜空と 星空と。


さっきとは打って変わって、落ち着いた声で巧が話す。
顔が見れない。


 今更になって、ようやく気がつく。

自分のしてしまったことの大きさに。



だけど、気がつくのが遅すぎた。

俺は、巧を裏切った。

俺を最高に信頼してくれていた友達を・・・裏切った。



 そうだ・・・誰だって、ちょっとした事で傷つくんだ。

俺だけじゃない。







誰だって・・・
傷ついて、転んで・・・


ズタズタに引き裂かれるんだ。







「たく・・・」

「出てけよ」





俺は、微動だにしなかった。

・・・違う。

動く事が出来なかった。




 冷たい声で、大切な親友だった男が、俺の顔を見ずに吐き捨てるように言った。





< 103 / 183 >

この作品をシェア

pagetop