キミと 夜空と 星空と。


 そのくらい分かっている。

このままで言い訳がない。


彼女には旦那がいて。

もしバレたら・・・大変なことになる。

それに何より、そうなったら一番傷つくのが天音さんだ。


「お前、天音さんが好きなんだろ??
だったら、そろそろハッキリさせた方がいい。

傷つくのは、彼女なんだからな」


「・・・分かってんだよ、それぐらい」



じゃあ、俺にどうしろって言うんだよ。

今更、天音さんの傍を離れられるわけがない。

だからと言って、天音さんに離婚してもらうってワケにもいかない。



 俺は、その時やっと、自分が今全く動けない位置にいることに気がついた。


前にも、後ろにも、横にも、斜めにも行けない。


微動だにすることさえ、許されない。


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