キミと 夜空と 星空と。


 天音さんが、幸福そうに笑った。




「・・・私、今、世界で一番幸せな気がする」




俺の腕の中にすっぽりと納まる大きさの彼女は、あまりにも小さく頼りなく見えた。



 幸せ。



幸せってなんだろう??

幸福ってなんだろう??

俺は確かに今、幸せだ。


だけど、この幸せはあまりにももろくて壊れやすくて。


強く握り締めすぎると潰れてしまうし、弱すぎると手のひらから零れ落ちていってしまう。


俺には分からなかった。


どの加減の強さで、この幸福を握り締めればいいんだろうか。


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