キミと 夜空と 星空と。
彼女が、俺の事をなんとも思っていないことくらい、手に取るように分かる。
第一、彼女は人妻だ。
しかも、親父にとって大切な取引相手社長の妻。
どんなに頑張ったって・・・例え、天音さんが受け入れてくれたって・・・絶対に誰かを傷つけてしまうのは目に見えてることだ。
「相手に押し付けるだけが・・・恋愛じゃないと思うから」
「・・・優しいんだね、睦月君って」
俺は、唾を飲み込んだ。
「優しいんじゃなくて・・・臆病なだけなんです」
どんな恋愛が一番正しいのかなんて、分からない。
それに、どんな恋愛をするのが幸せなのか、人それぞれ考えが違うはずだ。
誰かが、彼女に思いをぶつけるのが恋愛だと思うなら、俺は彼女の幸せを見つめるのが恋愛だと思う。