キミと 夜空と 星空と。
言えるわけがない。
「はい、別かれます」なんて簡単に言えるわけがない。
簡単に・・・彼と別れられるわけがない。
だけど、だからと言ってずっとこの関係を続けていくわけにはいかないことも、十分に分かっていた。
私は・・・どうしたら・・・わたしは・・・。
「・・・仕事があるから、帰るな。
家にまで来て、悪かった」
それだけ言い残すと、溝端は立ち上がった。
ソファーに座ったまま微動だにしない天音の耳に、玄関のドアが閉まる音が届く。