キミと 夜空と 星空と。
俺は思わず、口をあんぐりと開けた。
手のひらから、まだ温かい食べかけの焼きそばパンが、ぽとりと地面に落ちる。誰かが、「もったいねぇ」と不満を漏らした。
巧が今までにどれだけの恋をしてきたのか。
無理矢理聞かされてきた俺は、いやと言っていいほど知っている。ただ、巧にはいつだって彼女が出来なかった。
第一、理想が高すぎるのだ。
それに、あまり興味のない子には告白されやすいのに、一番に好きな子には告白されたためしがない。
「それで・・・この子なんだけど・・・」
そう言って、巧は携帯を開いて見せた。