キミと 夜空と 星空と。
空は、曇り始めていた。
今日の朝、TVの中で笑顔でアナウンサーのお姉さんが「晴れです」なんて言っていたのを思い出す。
結局、そんなものは最後にはあてにならないんだ。
心の中で毒づく。
この状況を変えたいのなら、自分でどうにかするしかない。
いつか、忘れられるだなんて・・・そんなバカみたいな理由で、現実から逃げてどうすんだよ。
正門を飛び出す。
一瞬タクシーにでも乗ろうかと思ったけど、財布を教室に置きっぱなしにしていることに気がつく。
俺は小さく舌打ちした。
そして、そのまま全速力で歩道を走っていく。
雨が降り出した。
最初は俺に同情でもするかのような小降りだったのに、段々と確実に酷くなっていっている。
俺の体には、汗と雨とで、制服がぴったりと張り付いていた。
気持ち悪いけれど、そんなことなんてどうでも良くなるほどに、俺は彼女に会いたかった。