キミと 夜空と 星空と。
2人の幸せそうな会話を聞いていると、自分までなんだか幸せになってくる。
なんだか微笑ましくて、俺は思わず笑った。
俺も・・・いつかは、天音さんとあんな風に話してみたいな・・・。
誰もがうらやむような幸せなカップル。
まさに、誰もが描く理想像。
不意に、俺の携帯が鳴った。
2人を横目でちらりと見ると、まだ幸せそうになにか口論しあっている。俺はそっと、携帯の通話ボタンを押した。
「・・・もしもし?」
電話の向こう側からは、何も聞こえなかった。
静かな時間だけが過ぎていく。
非通知だし、イタズラかもしれない。
そう思った矢先だった。
『・・・グ・・・スッ・・・・ズッ・・・・・・・ッ』
電話の向こう側から微かに、鼻をすする音がした。
風邪気味で鼻をすすっているような雰囲気じゃない。
・・・泣いている。
俺はそう確信した。