キミと 夜空と 星空と。
「・・・もしかして・・・天音さん・・・?」
あの日、俺はそこら辺にあった紙に自分の携帯の電話番号を書いた。天音さんは「いらない」と言ったけれど、もしもの場合と言って俺は紙を押し付けてきたんだ。
『・・・・・・む・・・き・・・・・・・・・・・ん』
声が小さすぎて、所々しか聞こえない。
だけど、俺は得体の知れない不安に襲われた。
「天音さん?!今、家だろ?!そこにいてください!俺、行きますからッ!」
そう叫んだ瞬間、琴音が勢いよく振り返った。
「・・・天音さん・・・??」
「ごめん!俺、用事出来た!じゃなっ!」
急いでカバンを肩にもつ。
巧が何か言ったような気がしたけれど、今の俺には何も聞こえなかった。
俺は階段を駆け下りた。
そして、飛び出すようにしてボーリング場を後にした。