キミと 夜空と 星空と。
「・・・天音さん・・・」
彼女が、顔を上げる。
その顔は、涙でぐっしょりと濡れていた。
俺は、そっと彼女の体を抱きしめた。
彼女の体は、すごく小さくて細かった。
俺が思っていたよりもずっとずっと。
震えている背中を、何度も何度もさすってあげる。
それでも、彼女の涙は止まらない。
それどころか、どんどんとその量は増えていっている。
彼女は、小さな声で、何度も何度も呟いた。
「ごめんね、ごめんね」と。
やりきれない気持ちが、俺の心を満たしていく。
どうしたらいいか、分からなかった。
自分の未熟さに腹が立った。
もしも今。
もしも今、彼女が今でも思っている人がここにいるとしたなら、彼はどうやって彼女を慰めるのだろうか?
それとも、彼がいれば彼女は泣く事なんてなかったのだろうか?