キミと 夜空と 星空と。



 そこにあったのは・・・笑っている彼女と、そんな天音さんの肩を抱いて笑っている、男の人の写真だった。

俺は、天音さんではなく、その男の人のほうに、目を奪われた。



 手が震える。
手から、滑り落ちるように写真が、落ちた。


体中から、へんな汗が沸いてくる。

俺は、自分が今どこにいるのかさえ、分からなくなりかけていた。



・・・嘘だろ・・・嘘だろ・・・。




 その言葉が、俺の頭の中をグルグルと回る。


写真が、脳裏に焼きついて離れない。




写真。・・・嘘だろ・・・。写真。・・・嘘だろ・・・。ぐるぐる・・・。




 何も聞こえなくなっていた。
シャワーの音も。何もかも。



「・・・睦月君??」




< 68 / 183 >

この作品をシェア

pagetop