キミと 夜空と 星空と。


それが、親の言う台詞かよ。

そう思いながらも、親父らしいと感じた。


親父はテストの点数なんて気にしない性格だ。
ただ、通知表の生活面については、とことん指導してくる。

親父いわく「勉強なんて出来なくても、他人に迷惑をかけなければいい」らしい。


 俺は立ち上がって、机の前に座った。

適当に参考書を取り出して、いかにも勉強していたかのように見せかける。





「・・・いいよ」


ドアが開いた。
スーツを着た親父が、満開の笑顔で部屋に入ってくる。


「いやー!!今日は熱かったな。父さん、とろけるかと思ったよ」


いつもは聞いているだけで楽しい親父の声も、片方の耳から片方の耳へ素通りしていく。




親父の楽しげな言葉が、ぽろぽろと虚しく、地面に落ちていく。





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