キミと 夜空と 星空と。
いつか、天音さんに尋ねたことと同じ言葉を発する。
親父は急の質問に驚いた顔を見せたけれど、すぐにまた、あの笑顔に戻った。
「・・・あるよ。
でも、残念だけど、お前の母さんじゃないけどな」
俺は、返事をせずに親父の顔を直視し続けた。
親父の視線が、俺から外れる。
「すごく綺麗な人で・・・俺よりもずっと若かった。
でも、確かに彼女は俺を本気で思っていてくれていたし・・・俺も、彼女を思っていた」
遠い昔を見るような目で、親父はボソリと呟いた。
親父は、天音さんを愛してたんだ。
天音さんの一方的な愛なんかじゃなかった。
お互いに惹かれあい、それでも親父と彼女は、別々の道を選んだ。