キミと 夜空と 星空と。
-5-
俺は、街をウロウロとしていた。
あの日から、天音さんには一度も会っていないし、声も聞いていない。
親父とも、あまり会話をしない。
学校にも、ずっと行っていない。
誰かは「バカだ」って言うかもしれない。
だけど、俺の心はそれぐらいにズタズタに傷ついていた。
まるで血のかよわない人形のように、1人で街をふらふらと歩き続ける。
不意に、誰かと思いっきりぶつかった。
あいてがよろめいて、そして俺をにらみつけた。
「いってぇなっ!!どこ見てんだよ、タコが!!」
相手は、髪を金髪に染めて耳にいくつもピアスをしていた。
鋭く切れた切れ長の目で、俺を威圧してくる。