キミと 夜空と 星空と。
「それに・・・お姉ちゃんには、忘れられないヒトがいるから・・・最後に傷つくのは、睦月君だよ・・・」
急に現実に引き戻された気分だった。
少しの間忘れていた真実が、目の前に叩きつけられる。
真っ暗だった。
人々のざわめきが、鳥の鳴き声が、さっきまではっきりと聞こえていたものが見えていたものが、何も伝わってこなくなる。
「・・・知ってるよ。全部。だからこうして・・・むしゃくしゃしてんだよ・・・」
当てる場所のない怒りを込めて、近くにあった壁を思いっきり殴る。
痛みは感じなかった。
いつか「興奮しているとヒトは痛みを感じない」と聞いたことがあるけれど、案外本当なのかもしれない。