始まりは終わり




「チカゲも予定が…」




「大丈夫だ。気にするな…マネージャーだしな」




チカゲって理由の殆どに『マネージャーだから』を付けている気がする。




理由が思いつかないんだろうか。




「じゃあ…お言葉に甘えて」




そう応えると、彼は少し微笑んだ。




「連絡先、渡しとく。必要になるだろうから」




「うん」




お互いスマホを取り出し近づける。




ピピッという音の後に、画面に“染洞千景”の名前が表示される。




私のスマホの中には数えるほどしか連絡先が入っていない。




田舎なだけあって私以外は自分用のものを持っていなかったし。




< 18 / 68 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop