始まりは終わり
待つのも待たれるのも、別に嫌いなわけじゃない
「チユ」
声がしてスマホに向けていた目線を上にあげる
「あ…おはよう」
「おはよ、待った…よな」
返事を聞く前に、時計を見て悟ったらしい
「一応時間通りに来たってことを伝えておきます」
「待ったんだな」
状況説明のような答えへの的確な返事、その返しに戸惑っているとクスリと笑い声が聞こえた
「笑った…」
ふいに呟いてしまった言葉に後悔しているとすぐに笑いがやんだ