始まりは終わり
「はい。試着お願いします」
「いいわよぉ~。さっ、コッチへ来なさいお嬢ちゃん」
お嬢ちゃん…
この流れ的には私なんだろうけど
「あなたよあなた!えっとー…」
「チユです」
「そうそうチユ…チユ?」
「え?」
何に驚いたのか固まっている
感動の再会、みたいな
何も知らない、っては思わないけど誰だったっけ?
オカマさんは「いや…」とか「でも…」とかを繰り返している
「マリさん?」
千景が声をかけると「マリさん」は高速で振り返った
マリさん、マリさん…。あぁ、母さんの友達だ。この人
確かどうして父さんじゃなくて母さんの友達なんだろうって悩んだ覚えがある
「母さんの友達ですよね。えっと…千聖さんの」