始まりは終わり



 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


「だぁーもーうっせーー!」



「んなキレんなって」


たかが転校生1人にこの騒ぎはなんだ!


隣で宥めてくる奴にさえ怒りをおぼえる



たかが、でも。普通科の奴らからすればやっぱりそれは憧れで


そういうとこ馬鹿にするのは嫌いだから多少の諦めはある



でも、だ



「なんで芸能科がこんなうっせーんだよ!」


「だからキレんなって…しょうがねーだろ?期待の新人らしいじゃん。その転校生」


「んなこたどーでもいいんだよ」



声を落ち着かせてそう吐き捨てれば「クールだねぇ」なんて言葉が返ってきた

心にも思ってないんだろ、どうせ



そんな隣の席の軽い男は、今人気のモデル



確かにスタイルはいいしルックスもイケてるし人気が出るのも分からなくはない。言葉さえ発さなければ



今俺は確実に、自分でもわかるぐらいに苛ついている



チユとは行き違いになるし、見つかんねーし、社長はやたらと俺を邪険に扱うし、なんだかんだで最近仕事が減ったし



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