始まりは終わり



俳優業は減ってもモデル業は変わらず、か。モデルは立ってるだけでつまんねぇ…



「で、どーすんの?」


「は?」



机に肘をついて頬を支える隣の男-浅間 代に多少イラついてみたり


大体言葉に主語がねー。動詞とか小学生でもできるレベルだろ



「転校生のことだよ。向こうのクラスみてーだけど、行っとく?」


親指で廊下を指す浅間を睨む


「行きてーなら勝手に行ってろ。俺はしばらく寝る」



机にうつ伏せになれば「冷てーなぁ」と苦笑していた



なぜ転校生ごときのために無駄な労力を使わねばならんのだ

時間の無駄だ

鼻歌を奏で始めた浅間は、俺が行かないなら無理して行こうとは思っていないらしい





芸能科に普通科が入ってくることはない


それも
《芸能科棟に普通科は入るべからず》
とかいう校則があるからこそだ


芸能科生徒の安全とプライバシー保護のために決められたこの校則は、理事長の提案であったらしい


内容的には主に芸能科を守るもので、俺らに得はあっても、普通科には損しかない



この校則がなかったら、今頃俺はここをやめていただろう


過労とストレスで


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