始まりは終わり
「はいセンセー。後一つ質問いーっすか」
「俺が答えられる範囲でな」
「転校生ってどんな感じなんスか?」
「…………」
馬鹿を目の前にして、先生は見捨てようとしている。俺もそうだ
「知りたいなら本人のところへ行け。他にはないなー、じゃあHR終わるぞ」
「それもそーだな、よし!行くぞー織田!」
「あと5分経ったら行け」
今にも立ち上がりそうな浅間を先生は言葉で制した
この二人、実はいいコンビなんじゃないかと思ったりするが、口には出さない
餌食にされる
ファンが知ったらさぞ嘆くだろーなぁ
「ったく、最近はセンセーのノリが悪ぃ!」
「お前が自由過ぎんだよ馬鹿」
「ヒデーこと言うなって。俺らの仲だろ?ブラザー」
「…………」
無視は主に馬鹿相手に絶大なダメージを与えるらしい
ぐちぐち言っているのは放っておいて、窓の外を眺める
…つまんねぇ
「お、つまんねーって顔してんなぁ。行くか?」
「とりあえずそのブラザーってのやめろ。気持ち悪いしウザい」
浅間は俺の数少ない話し相手
そんなことどうでも良くて、一人になってもなんら問題はない
…正直いって、離れてほしい
俺からすれば、まだナイトの新人の方が興味を持てる
まだ、であってそっちにも興味はないに等しい