始まりは終わり




ぼーっとしていると、浅間はスマホを見て掛けてあった鞄を肩に掛け変えた



「俺もう仕事だわ…転入生ちゃんのクラス寄ってくか。じゃーな、相棒」



ヒラヒラと手を振ってのんびりと教室を出た浅間


相棒、という言葉は聞かなかったことにして、軽く手を振る

完全に無視しないのは、俺がそこまで冷血じゃないからだ



「ろくなもんじゃねーよ、あいつは」


気付けば、教卓から姿を消したはずの先生が横に立って浅間の消えた方向を見ていた


「今更ですよ。風見さん」


「だよなぁ。お前もよく体がもつな…頑張れよ、友達、なんだろうから」


「は?」



浅間を追いかけるように教室を出て行った風見さん



風見さんとは、仕事で一緒になることが多くて、意外に仲が良かったりする




「俺も帰ろーかな…暇だし」



浅間とか風見さんが帰って、なんとなくやる気をなくす


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