始まりは終わり



まぁでも、そんな理由だけでサボるのは無理があるだろうし、だから理由なら準備済み

…言い訳じゃない、本当の理由



ドラマの打ち合わせと言う名の飲み会



俺はまだ高校生で、つまり未成年者


酒が飲めないから、それをサボる理由にもできて、学校と飲み会を同時にサボれる最高の理由だ



PLLL…

「はい…あぁ、すぐ行きますよ」


「もしもし」の声だけ聞いて切る

正直なところ長話をしている時間はないし、したくもない


社長だし、害はないだろう



鞄をとって教室を出る


背後から疑問の声が投げかけられるが、それはこの際無視でいこう


あの人に校舎内へ侵入されるのは避けたい

それこそ俺がサボりにくくなるだけだ




___タタタタッ



「…こんにちは、先輩」


「おぉ!今大人気の織田くんじゃん!先輩にしっかり挨拶とは…感心だねぇ」


「いえ……では」



俺の挨拶に反応したのは、声をかけた相手の横にいた友人A


本来振り向くはずの相手は窓の外を眺めていて気付いていない



…ムカつくヤローだ


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