星空とミルク
母は父をなくしてから女手ひとつで私を育ててくれた。
ただでさえ大変なのにおまけに視覚障害を持った子供だ。
どれだけの苦労をかけたかはかりしれない。
でも母は投げ出したりしないどころか、ときどき会社の付き合いで飲みに行くくらいでほとんど遊びにはお金も時間も使わない。
どれだけ一人で辛く寂しい想いをしてきたろうと思うと、私に遠慮なんかしないで早く男でも見つければいいのにって言いたくなる。
私はそういうの全然興味ない。
というよりほぼあきらめてる。
見えないから普通に生きて普通に幸せになるなんてできるはずないって思ってる。

そんなこと考えていたら思いのほか時間が過ぎていて、私は急いで家を出た。
今日も憂鬱な学校に出向かなければ。
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