星空とミルク
私の家は適度に、いや十分に田舎の町にある。
きちんとした歩道もろくになく、白線だけの狭い歩道を、車や自転車に気を配りながら、半ば怯えながらゆっくり歩いた。
右手には白い杖。研ぎ澄まされる聴覚。
これだけが頼りだ。
信号機のない横断歩道の前で渡しは立ち止まる。
遠くから車が迫ってくる音がした。
少し待ってみると案の定一台の乗用車がやってきた。
しかしその車は、横断歩道の枠線の手前でぴたりと停車した。
珍しいことだ。
しばらくとまどった後、自動車が動く気配がないので私は一礼して向こう側へと渡った。
駅の自転車置場はより慎重に通り過ぎた。以前、白杖でうっかり自転車を倒してしまい、戻すのに苦労したことがあったからだ。
よかった。まだ電車に間に合う。
きちんとした歩道もろくになく、白線だけの狭い歩道を、車や自転車に気を配りながら、半ば怯えながらゆっくり歩いた。
右手には白い杖。研ぎ澄まされる聴覚。
これだけが頼りだ。
信号機のない横断歩道の前で渡しは立ち止まる。
遠くから車が迫ってくる音がした。
少し待ってみると案の定一台の乗用車がやってきた。
しかしその車は、横断歩道の枠線の手前でぴたりと停車した。
珍しいことだ。
しばらくとまどった後、自動車が動く気配がないので私は一礼して向こう側へと渡った。
駅の自転車置場はより慎重に通り過ぎた。以前、白杖でうっかり自転車を倒してしまい、戻すのに苦労したことがあったからだ。
よかった。まだ電車に間に合う。