星空とミルク
駅の中には数人の男女がいた。ベンチに腰掛ける者、券売機の前でボタンを押す者、自動販売機でジュースを買う者。
見慣れた光景だ。
こんな風に言うと、にぎわっているように思うが、それは無人駅のわりにはというだけのことだ。
見えない私には必要ないのだが、電光掲示板もなければタッチ式の券売機もない。そんな駅だ。
定期券をかばんから取り出し、改札機に滑らせる。最初は不安だった電車での通学も手慣れたものである。
階段をのぼりおりして反対側のホームへ移動し、決まった場所に並んだ。
並ぶといっても私の隣にいるのは人ではなく柱、後ろにあるのはいつの飲み物が入っているかわからない自動販売機だけである。
ほどなくして電車がきた。
私はそれに身を運ばせ、目的の駅へと向かった。
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