不器用なシンデレラ
「無事で良かった。帰国が遅れたらどうなってたか考えるとゾッとする。早く帰って来て良かった」

「私も・・・怖かった。もう駄目かと思った」

 私も理人くんの身体にしがみつく。

「ああ、怖かったな」

 彼は私の額に自分の額をくっつけて、静かに目を閉じる。

 時間にすると2-3分ぐらいのちょっと長い間。

 私の無事を実感しているのかもしれない。

 私も彼の腕の中にいると、気持ちが落ち着いてきた。

「俺の寿命確実に縮んだよ。どう責任とってくれるの?」

 少し落ち着いたのか、理人くんがゆっくり目を開けて私と目を合わせて微笑む。

 その顔を見て安堵したのか、私も少し冗談が言えるようになった。

「肩たたきとかどう?おばあちゃんは上手だって言ってくれたよ」

 理人くんの顔を見て微笑む。
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