不器用なシンデレラ
「花音、お前日本酒の味がする。大丈夫か?気持ち悪くないか?」

「大丈夫だけど、日本酒の味がするって言われるのは嬉しくない。酒飲みじゃないもの」

「酔ってはいないみたいだな。じゃあ、タクシー拾ってお前の家に帰ろうか?」

 理人くんが悪魔の微笑を浮かべながら私を見る。

 私の家?

 マズい。

 すごーくマズい。

 そもそも理人くんには引っ越した事言ってない。

「あはは、私酔ってないから1人で帰れるよ」

 自然と乾いた笑いが出る。

「どうした?何動揺してるの?」

 何故か理人くんは意地悪な笑みを浮かべながら私の反応を見て楽しんでる。

「あのう・・・まさか知ってる?」

「何を?」

「だから、私の・・・」
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