不器用なシンデレラ
「お前が引越した事なら知ってるよ。俺はお前がどんなとこに引越したのか知りたいんだけど。そのために仕事早く終わらせて1日早く帰国してみれば、勝手な事してじじいに襲われそうになってるし」

「うっ、すみません」

 もう何も言えない。

 いくら三島さんに仕事を押し付けられたとはいえ、本田さんの命令に背いたのは事実だ。

 きっと明日も会議室に呼ばれるんだろうな。

 女の子に優しくては温厚な本田さんでも、きっと今回ばかりはきつくお説教するかもしれない。

 私ってつくづく馬鹿だ。

 そう言えば、長谷部さんも心配してるかも。

「あっ、長谷部さんに連絡しなきゃ」

「その必要はない。元々長谷部さんが心配して俺達に連絡してきたから。本田さんと長谷部さんは幼馴染みみたいだし、本田さんがすぐに連絡するだろ」
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