不器用なシンデレラ
 人を見下したような高飛車な態度は相変わらずだ。

「詩音、待たせてごめんなさい」

 詩音に軽く謝り、受付の女の子にも目でごめんなさいと謝る。

 受付の女の子も詩音の扱いに困っていたのか苦笑していた。

「相変わらず鈍くさいわね。いつまで待たせるのよ」

「ごめんなさい。そこのソファーでいい?コーヒーも横のカフェで頼めるから」

「仕方ないわね。それにしても流石世界のTAKANOね。大きなビル、驚いたわ。受付の対応はイマイチだったけど」

「・・・何をしに来たの?おばあちゃんのお葬式にも来なかったのに」

「おばあちゃんの保険金貰ったんでしょ?私にも半分分けてもらいに来たの」

「コンクールはどうなったの?」

「入賞出来なかったわ。今回も審査員がろくなのいなかったのよ」

 詩音はかなり不機嫌だった。
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