不器用なシンデレラ
本田さんの言葉に頷いてシャンパンを口に運ぶと桃の味がした。
「甘くて美味しい」
思わず笑顔になる。
「うん、女の子が好きそうな味だね。でも、こういうのって酔いやすいから気をつけてね」
口調は優しいが本田さんが保護者のように注意する。
確かに、この味だとジュース感覚で飲み干してしまいそうだ。
でも、今夜は前回のような失態をしてはいけない。
会社を辞めることを伝えなければ・・・・。
「はい。それで、今日メールしたのは・・・・」
バックの中から退職願を取り出して、両手で本田さんに差し出す。
だが、本田さんは受け取ってくれない。
「やっぱりそうか。もう次の仕事は決まってるの?」
「幼稚園の先生を。元々、幼稚園の先生になるつもりで大学も選んだんですけど、鷹野くんの事がどうしても忘れられなくてうちの会社に入りました。でも、仕事では迷惑をかけてばっかりで、このままじゃ自分が駄目になってくような気がして」
「甘くて美味しい」
思わず笑顔になる。
「うん、女の子が好きそうな味だね。でも、こういうのって酔いやすいから気をつけてね」
口調は優しいが本田さんが保護者のように注意する。
確かに、この味だとジュース感覚で飲み干してしまいそうだ。
でも、今夜は前回のような失態をしてはいけない。
会社を辞めることを伝えなければ・・・・。
「はい。それで、今日メールしたのは・・・・」
バックの中から退職願を取り出して、両手で本田さんに差し出す。
だが、本田さんは受け取ってくれない。
「やっぱりそうか。もう次の仕事は決まってるの?」
「幼稚園の先生を。元々、幼稚園の先生になるつもりで大学も選んだんですけど、鷹野くんの事がどうしても忘れられなくてうちの会社に入りました。でも、仕事では迷惑をかけてばっかりで、このままじゃ自分が駄目になってくような気がして」