不器用なシンデレラ
14、プロポーズは忘れた頃にやってくる
 あれから、私はずっと鷹野家にお世話になっている。

 早起きが苦手な私は毎朝理人くんに叩き起こされ、眠い目をこすりながら幼稚園へ行く。

 子供たちと過ごす時間は楽しい。

 大好きなピアノと大好きな子供と一緒の生活。

 仕事は大変だし、責任も重いけど、ちゃんと前を見て歩けるようになった。

 子供たちのお陰で笑顔でいられる時間も増えた。

 たぶん、幼稚園の先生は私にとって天職なのだろう。

 毎日がとても充実している。

 おばあちゃんになっても、ずっと幼稚園の先生を続けたい。

 そう思える。

 そんな私を鷹野家の人々は温かく見守ってくれる。

 家に帰ればおばさんと一緒に夕食を作り、おじさん達が仕事がなければみんなで食事をする。

 そんな幸せな日々が日常となっている。
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