不器用なシンデレラ

「お前どこにいる？何かあったのか？この伝言聞いたらすぐに連絡しろ」

　連絡を待つしかないなんて・・・もどかしい。

　そう言えば、花音の携帯かなり古かったな。

　こんな事なら朝から仕事優先で素っ気なくしなければ良かった。

　携帯の事を確認しておけば良かった。

　髪の毛をかきむしるようにかき上げ、自席に戻る。

　本田さんと山田さんの会話を聞く限り、何とか本田さんがA社の総務部長との約束を取り付けたようだ。

　本田さんがいれば、契約の方は何とかなるだろう。

　問題は花音だ。

　留守電を残して２０分経過したが、俺のスマホが鳴る気配はない。

　溜まっていたメールを処理していくが、花音が気になって仕方がない。

　花音、どこにいる？

　連絡も出来ない状況なのか？

　落ち着かない。