不器用なシンデレラ
「この度は申し訳ありませんでした」
本田さんが謝ると、A社の会長が逆に頭を下げた。
「いえ、この度はうちの家内を助けて頂いてありがとうございました」
すると、今度は横にいた社長が口を開いた。
「母がここへ立ち寄った後急に具合が悪くなったようで、TAKANOさんのところの山下さんという女性社員が救急車を呼んで助けてくれたそうです。担当の医師から先程連絡がありました。本当にありがとうございました」
「うちの山下が?」
本田さんがそう言って俺と目線を合わせて来た。
花音には約束をすっぽかした理由を聞かなかったが、こういう事だったのか。
彼女らしい。
会長の奥さんなら恐らく雅代さんと同じぐらいの年齢だったのだろう。
だからこそ余計に放っておけなかったに違いない。
お婆さんじゃなくても誰か困っていれば、花音は放っておけない。
そういう奴だ。
そんな花音を思うと自然と笑みがこぼれる。
本田さんが謝ると、A社の会長が逆に頭を下げた。
「いえ、この度はうちの家内を助けて頂いてありがとうございました」
すると、今度は横にいた社長が口を開いた。
「母がここへ立ち寄った後急に具合が悪くなったようで、TAKANOさんのところの山下さんという女性社員が救急車を呼んで助けてくれたそうです。担当の医師から先程連絡がありました。本当にありがとうございました」
「うちの山下が?」
本田さんがそう言って俺と目線を合わせて来た。
花音には約束をすっぽかした理由を聞かなかったが、こういう事だったのか。
彼女らしい。
会長の奥さんなら恐らく雅代さんと同じぐらいの年齢だったのだろう。
だからこそ余計に放っておけなかったに違いない。
お婆さんじゃなくても誰か困っていれば、花音は放っておけない。
そういう奴だ。
そんな花音を思うと自然と笑みがこぼれる。