不器用なシンデレラ
 長谷部さんが気を利かせて俺にも知らせてくれたのはいいが、状況が全然わからない。

 すでに花音は病院に向かっていると思うが大丈夫だろうか?

 1人で泣いていないだろうか?

 気が気じゃない。

 タクシーの中で、俺は親父とお袋にメールを打った。

 親父達もショックを受けるだろう。

 昨日一緒に食事しただけに、俺もまだ信じられない。

 病院に着くと、受付で雅代さんの名前を告げた。

「山下雅代さんですか?」

「恐らく、今日救急で運ばれたと思うんですが」

「ああ、ちょっと確認してみます」

 受付の女性が救急に電話する。

 彼女が電話の相手と話してる内容を聞いて呆然とした。

 霊安室にいる?

「あのう、山下雅代さんは・・・」

 受付の女性が話しかけてくるが、耳に入って来ない。
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