不器用なシンデレラ
そんなやり取りを何度か繰り返し、彼女は最後に俺の会社に入社した理由を告白した。
「理人くん、前・・私に何でうちの会社入ったのかって聞いたでしょう?私、幼稚園の先生になりたくて高いお金払ってもらって私大を出たのに、先生にならずに結局理人くん追って今の会社入ったの。馬鹿だよね。でも、おばあちゃんは何も言わなかった。怒りもしなかった」
「知ってる」
親父から聞いてはいたし、もう入社式の時みたいに驚きはしない。
俺が真顔で頷くと、花音はさらに続けた。
「理人くんみたいなちゃんとした意志があって入社した訳じゃないの。ただ、理人くんの側にいたい。それしか考えてなかったんだ。私みたいな人間軽蔑するでしょう?いいの、もう帰って。明日だって理人くんは大事な仕事があるもの。もうこれ以上、誰かの足手まといになるのは嫌なの」
花音の言葉を聞いてて思った。
こいつは自分のせいで雅代さんが死んだと思ってる。
「理人くん、前・・私に何でうちの会社入ったのかって聞いたでしょう?私、幼稚園の先生になりたくて高いお金払ってもらって私大を出たのに、先生にならずに結局理人くん追って今の会社入ったの。馬鹿だよね。でも、おばあちゃんは何も言わなかった。怒りもしなかった」
「知ってる」
親父から聞いてはいたし、もう入社式の時みたいに驚きはしない。
俺が真顔で頷くと、花音はさらに続けた。
「理人くんみたいなちゃんとした意志があって入社した訳じゃないの。ただ、理人くんの側にいたい。それしか考えてなかったんだ。私みたいな人間軽蔑するでしょう?いいの、もう帰って。明日だって理人くんは大事な仕事があるもの。もうこれ以上、誰かの足手まといになるのは嫌なの」
花音の言葉を聞いてて思った。
こいつは自分のせいで雅代さんが死んだと思ってる。