不器用なシンデレラ
22、人肌は精神安定剤? ー 理人side
 料亭に入ると女将に場所を聞いて、奥にある離れに向かう。

 襖をパアンと勢いよく開けると、花音と小太りの中年男がいた。

 まさにその男が花音に襲いかかろうとした時、俺は空気が一瞬で凍りそうな程冷たい声で告げた。

「それ以上この子に近づいたら、あなたの首飛びますよ」

 中年男が俺の登場に驚きはっと固まる。

 その間、俺はチラリと花音に目をやった。

 衣服の乱れはなさそうだ。

 その事に取り敢えずホッとする。

 本当に間に合って良かった。

 なら、このスケベじじいどうしてくれようか。

 一発は殴らないと気が済まない。

 中年男を見据え、ネコみたいに首根っこを掴んで花音から引き離す。

 すると、このスケベじじいがほざいた。
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